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及川 哲邦; 村松 健; 笠原 健夫*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, Vol. 3, 0, p.1341 - 1348, 1995/00
原研では、受動的安全機能を採用した一体型加圧水炉SPWR(System-Integrated PWR)の概念設計研究を行っているが、その技術成立性の評価、設計の弱点の洗い出しに確率論的安全評価(PSA)を実施している。SPWRのPSAは、2段階に分けて行った。第一段階PSAでは、SPWRのプラントの概要の把握、設計の弱点の洗い出しのため、3つの起因事象についてのみ評価を行った。この第一段階PSAの結果も参考として、設計者グループは、水張り式格納容器、静的格納容器水冷却系の採用といった設計変更を行った。第二段階PSAではこれらの設計変更を考慮すると共に、故障モード影響解析等から洗い出された全ての起因事象を対象に、事故進展図を作成してイベントツリーを作成し、炉心損傷発生頻度を定量化した。また、静的システムの信頼性及び設計代替案に関する感度解析を実施した。その結果、炉心損傷発生頻度に静的システムの信頼性はあまり大きな影響のないこと、設計代替案として非安全系の高圧注入系を追加することが炉心損傷発生頻度の低減に最も有効であることが分かった。
及川 哲邦; 村松 健; 岩村 公道; 笠原 健夫*; 水野 義信*; 三村 裕一*
第6回確率論的安全評価 (PSA)に関する国内シンポジウム論文集 (IAE-9206), p.204 - 209, 1993/01
原研では、受動的安全機能を採用した一体型加圧水炉SPWR(System-integrated PWR)の概念設計研究を行っているが、その技術成立性の評価、設計の弱点の洗い出しに確率論的安全評価(PSA)を実施している。SPWRのような基本設計段階にあるプラントへのPSAの適用をフレームワークPSAと名づけ、2年計画で行っている。フレームワークPSA手法の特徴は、起因事象の同定では既存PSAで取り上げられた起因事象も参考としながら新設計の系統には故障モード影響解析を行ったこと、事故進展図を作成して事故進展の検討を行ったこと、定量化では既存炉と同様なシステムについて既存PSAの値を参考とし新設計の機器の故障率を設定する等の方法を用いたことである。本報告では、1年目のフレームワークPSAで得られた成果の概要を紹介するとともに、現在実施中の2年目の計画を述べる。
新谷 文将; 寺下 尚孝*; 清水 智也*; 浅井 清; 秋元 正幸
Proc. of the Joint Int. Conf. on Mathematical Methods and Supercomputing in Nuclear Applications,Vol. 1, p.466 - 476, 1993/00
原子炉の設計作業をコンピュータのハードウェア及びソフトウェアで支援する知的設計支援システムの開発を最終目標に、キーテクノロジーであるモジュール統合化手法の確立のための検討を行っている。原子炉の設計においても他の分野と同様に試行錯誤的・人海戦術的方法がとられている。しかしここでは他の分野に比べて、多くの大型計算コードが使われ、解析作業の設計全体に占める割合が大きいのが特徴である。このため、計算コードを統合化する手法の確立が設計を支援するキーテクノロジーになる。本報では、設計タスクの分析結果を基に、計算コード、入力データ、結合情報を記述した情報モジュールをモジュールの単位とし、結合のためのソフトウェアを介して、モジュール間の結合関係を自動的に判断して実効するシステムを、原研で概念設計中の新型炉SPWRの負荷追従解析を例題として試作し、検討した結果について述べる。
新谷 文将; 秋元 正幸; 橋立 晃司*; 金子 邦男*; 迫 淳
JAERI-M 91-075, 31 Pages, 1991/05
新型炉の省力的な設計支援のための「ソフトウェア統合化技術の研究」の一環として、原研で開発中の原子力船エンジニアリングシミュレータ(E/S)のソフトウェアを参考に新型炉の設計研究、並びに運転制御に関する設計評価等に活用可能な統合化ソフトウェア・システムの開発を行なっている。本報では、E/Sのソフトウェアの新型炉への適用性検討の一環として、SPWRの過渡特性として未検討であったXe効果が重要になる日負荷調整運転時負荷追従特性の予備解析にE/Sを適用した結果について、SPWRの特性把握という観点から記す。解析に重要な出力係数をSPWR条件にできる限り近づけて行った解析の結果は、E/SとSPWRの条件の差を考慮しても、SPWRは50%程度の日負荷調節に対して、一次冷却水中のボロン濃度調節等を行うことなく自動的に追従できることを示した。本解析を通して、E/Sのソフトウェアは新型炉の解析用に拡張可能である事が分かった。